WEB適性検査の不正問題と『エナジャイザー』がもたらす安心の新時代
- さくら総合研究所 
- 3月5日
- 読了時間: 8分
更新日:3月7日

はじめに
昨今、WEBを活用した適性検査が急速に普及する中、学生間での解答集の流通やカンニング、代理受検といった不正行為が深刻な問題となっています。企業は採用選考の公正性と信頼性を確保するため、会場での受検やZOOMなどによる監視システムの導入など、さまざまな対策を講じていますが、いわゆる「いたちごっこ」の状態に陥っています。
本記事では、この現状の背景と企業・受検者側の取り組み、そして、全く新しいアプローチを提示する適性診断ツール『エナジャイザー』について詳しく解説していきます。
1. WEB適性検査と不正行為の現状
■ WEB適性検査の普及背景
近年、就職活動におけるWEB適性検査は、従来の筆記試験や面接に代わる手段として注目を集めています。これにより、受検者は自宅や指定された会場から手軽に受検できる一方、採用プロセスの効率化とコスト削減にも大いに貢献しています。しかし、同時に不正行為の温床ともなっているのが現実です。
■ カンニングと代理受検の実態
学生間での情報共有が容易となった現代、解答集がSNSや専用サイトを通じて流通するケースが相次いでいます。また、代理受検といった行為も問題視されており、自宅受検などの不正対策が急務となっています。たとえば、友人同士で解答を共有しあったり、自宅で受検と偽って代理人に受検させる事例は、受検者の実力評価に大きな影響を及ぼすだけでなく、企業側の採用判断にも疑問を投げかける結果となっています。
■ 企業側の対策とその限界
企業はこうした不正行為に対抗するため、受検会場等のリアル会場での受検や、受検時のZOOM等を利用した監視チェックなどを導入しています。リアル背景での受検や画面共有、などの地道な対策が進められていますが、技術的・人的コストがかかることから、完全な不正防止には至っていません。結果として、受検者と企業の間で「いたちごっこ」が続いている現状があります。
2. 不正行為が横行する背景とその影響
■ なぜ不正行為が発生するのか
就職活動は学生にとって極めて重要なイベントであり、プレッシャーや不安がつきものです。このような状況下では、短期間で成果を求めるあまり、カンニングや代理受検といった不正行為に手を染める学生が後を絶ちません。解答集の入手や販売が容易になったことも、不正行為を助長する一因といえます。
■ 不正行為がもたらす影響
まず、採用選考の公平性が損なわれ、企業は実際の能力を正確に把握できなくなります。結果として、採用後の育成やマネジメントにおいても、適切な人材評価が困難になり、組織全体のパフォーマンス低下を招く可能性があります。また、不正行為を容認する風潮が広がると、長期的には社会全体の倫理観の低下や、企業と応募者間の信頼関係の崩壊にもつながりかねません。
3. 企業と教育機関が取り組む対策とその課題
■ 現場での受検対策
近年、企業は不正行為を防ぐため、受験会場での受検体制を強化しています。会場に監視スタッフを配置し、受検中の不審な行動のチェックを強化するようになっています。これにより、解答集の持ち込みなどを物理的に抑制しようとする試みがなされています。
■ オンライン監視システムの導入
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、オンラインでの受検が増加する中、ZOOMやその他のウェブ会議ツールを利用した監視システムも導入されています。受検中の画面共有や、受験者の映像モニタリングにより、不正行為の兆候を早期に発見しようとする取り組みが進められています。しかし、プライバシーの問題や技術的な制約、監視の徹底度にばらつきがあるため、完全な防止には至っていません。
■ いたちごっこの無意味さ
企業がどれほど監視体制を強化しても、学生側は常に新たな手口を編み出すため、不正行為は絶えません。解答集のオンライン流通は技術の進歩とともに巧妙化しており、一度システムが公表されると、その対策がすぐに回避されるリスクがあります。つまり、現状の対策は一時的な解決策にすぎず、長期的な視点から見ると、企業と受検者間のいたちごっこ状態は避けられないと言わざるを得ません。
4. 革新的な適性診断ツール『エナジャイザー』のご紹介
■ 『エナジャイザー』の概要
このような不正行為を根本から解決する策として、適性診断ツール『エナジャイザー』などの活用が効果的です。『エナジャイザー』は、作業検査法と質問紙法のハイブリッド形式を採用した、唯一無二の総合適性診断ツールです。単なる合否判定に留まらず、採用後の育成方針やマネジメントにまで活用できる点が大きな特徴です。
■ 作業検査法による情報処理特性の測定
『エナジャイザー』では、画面に表示される数字に対してシンプルなクリック操作を行う「数字のセッション」が組み込まれています。具体的には、1桁の数字が表示された場合にその数字をクリックする、または2つの1桁の数字が表示され、これら2つの数字を足した下一桁の数字をクリックするというシンプルなテストが実施されます。この仕組みは、単純業務や複雑な業務の反応速度や正確性等(情報処理特性)を測定するものであり、代理受検や解答集を使ったカンニングでは意味をなさない設計となっています。さらに、情報処理特性は「A~E」の11段階評価により、速さ、安定度、ミスの発生率など多角的な側面から受検者の情報処理能力を把握するため、単に「A=良い」という単純な評価には留まりません。
■ 質問紙法による内的価値観と対象評価価値観の測定
『エナジャイザー』は、受検者のパーソナリティやモチベーションを測るために、質問紙法も採用しています。ここでは、複数の形容詞から自分に最も近いものを選ぶ形式が取られており、正解の概念が存在しないため、どれだけ熟考して回答しても結果は変わらない仕組みです。これにより、解答集を利用しても意味がなく、真の内面を反映するデータが得られます。また、妥当性と社会性についても、心理学科の大学教授との共同開発により、ライスケールを盛り込んだロジックに基づいた評価が行われ、たとえ質問紙形式であっても正解を見出すことが難しい仕組みとなっています。
5. 『エナジャイザー』がもたらす安心と信頼
■ 不正行為対策としての効果
『エナジャイザー』は、数字のセッションや質問紙形式の採用により、カンニングや代理受検といった不正行為のリスクを根本的に排除することに成功しています。単純な反応テストや、正解のない質問紙形式を組み合わせたこのハイブリッド方式は、不正行為を試みる者にとって全く意味を持たず、システム自体が自然と「本物の力」を測定する設計となっています。これにより、企業は受検者の実際の能力や特性に基づいた、信頼性の高いデータを入手することが可能となり、採用後の育成やマネジメントにも大いに活用できるのです。
■ 採用後の育成への活用
従来の適性検査では、合否判定のみが重視されがちでしたが、『エナジャイザー』はその先にある「育成方針」や「マネジメント戦略」にも直結するデータを提供します。情報処理特性や内的価値観、対象評価価値観の多面的な評価により、各応募者がどのような環境で最もパフォーマンスを発揮できるか、またどのような育成方法が適しているかを詳細に分析できるため、採用後の人材育成においても大きな武器となるでしょう。
■ 信頼性と安心感の確保
『エナジャイザー』は、代理受検やカンニングが試みられても意味を成さないシステム設計により、企業にとって「安心・信頼」の象徴となるツールです。さらに、心理学の専門家と共同で開発されたこと、そして複雑なロジックによる判定が行われることにより、採用プロセスにおける客観性と公正性が格段に向上します。これにより、採用する側も受検する側も、安心して適性検査に臨むことができる環境が整備されているのです。
6. 結論と今後の展望
■ 『エナジャイザー』の導入メリット
これまで、WEB適性検査においてはカンニングや代理受検といった不正行為の影が付きまとい、企業側も対策に苦慮してきました。しかし、『エナジャイザー』はその根幹にある問題を解決する革新的なツールとして注目されます。単なる合否判定にとどまらず、採用後の育成戦略にまで影響を与える総合適性診断は、企業が安心して人材を選考できる基盤を提供します。
■ いたちごっこからの脱却
現状、企業と受検者の間で繰り広げられている不正対策のいたちごっこは、根本的な解決策が見出せず、長期的な信頼関係の構築に支障をきたしています。しかし、『エナジャイザー』のように、不正行為が根本的に通用しないシステムは、真に公正な評価を可能にします。これにより、採用プロセス全体が刷新され、企業と応募者の双方にとってメリットのある環境が整備されることが期待されます。
■ 今後の展望とメッセージ
今後、就職活動や人材採用においては、「安心・信頼」が何よりも重要なキーワードとな
るでしょう。『エナジャイザー』の導入により、採用の段階で得られるデータの信頼性が
飛躍的に向上し、採用後の人材育成やマネジメント戦略にも大きな影響を与えることは間
違いありません。企業は、この革新的な適性診断ツールを活用することで、従来のいたち
ごっこ状態から脱却し、より健全で公正な採用プロセスの実現に近づけるはずです。
最後に
今回ご紹介した『エナジャイザー』は、従来のWEB適性検査に潜む不正行為の問題に対して、根本的な解決策を提示する画期的なツールです。不正対策に追われる現状において、安心して選考プロセスに臨むための一助となるこのツールは、企業のみならず、受検者にも新たな可能性と信頼感をもたらすことでしょう。
これからの採用活動において、ぜひ『エナジャイザー』を取り入れ、公正で透明な評価体制を実現していただきたいと思います。
【著者情報】
株式会社さくら総合研究所 シニアディレクター 菅野敏
資格:シニアコンサルタント ・キャリアコンサルタント
大手損害保険会社の営業職から中小企業へ転職。創業期のNO.2として組織創りに取り組み、自社および他社の人財育成の支援を担当。その経験を活かし、人がポテンシャルを発揮しイキイキと働ける環境創りの支援を使命とするため現職へ。
現在は、エナジャイザーのプロファイラーとして約12万人以上のデータを解析している。
